竹光

233 名前:1/3[sage] 投稿日:2006/11/18(土) 23:27:15 ID:YEuoRW4O0
まず読む前に。
ネタだと思って読んでもらっていいっす。書きたかっただけなので。

自分の地元なんだけど、コトリバコじゃないけど「地域内の家を順番に持ち回す事で呪力を高める呪物」というのがある。
いや、もうあったでいいかもしれないけど。

場所は、昔ならここ出身だというだけで縁を切られるようないわゆる部落。
結構迫害みたいなものもあったらしく、その関係で大地主が外の人に仕返しを
したがって作らせたらしい。
それはある手順で作られた竹光を一定期間家の鬼門に祭り、それを何件も
繰り返す事で呪力を高める、という方法で作られる。
モノが出来たら、きちんとした飾り柄と鞘を作ってあるお社へ奉納する。
それを呪いたい相手に献上すると、相手が呪われるという代物だ。

で、この呪物なんだけど、作るのに物凄く時間がかかるけど、一度作ると
奉納したお社の神様が消滅するまで永続的にその恩恵が得られるものらしい。
なので呪いたい相手ができると献上して、献上した先で人死にが起きて、
これはおかしい、あの刀が原因じゃないかという事で人柱付きで返される。
そんな事を何度も繰り返していたという話だ。
うちの人間にしたら嫌な奴は死ぬし新しい血が入るしで一挙両得だよな。
でも、結構最近、100年くらい前にお社の神主になった人が「人の手に負えるものじゃない」っていって、完全にお社の宝刀としてまつりあげて大地主の
手の届かないようにしてしまった。
また、それ自体も丁寧に奉りあげて、呪力がお社の主、つまり神様に還元される
ような仕組みにしてしまった。
で、ずーっと何十年もかけて呪力を神様に還元していた。

234 名前:2/3[sage] 投稿日:2006/11/18(土) 23:27:52 ID:YEuoRW4O0
ところが最近、当代の神主さんの息子がこれを持ち出してしまった。
昔は大地主の事もあって結構厳重にまつってたみたいだけど、まぁ戦後戦中の
色々があってお社の規模も小さくなってて、今は普通に刀飾るみたいに置いて
あるだけだったみたいで、簡単に持ち出せたようだ。
文化財指定されてるわけじゃないけど、装飾が豪華で年代物だから古物商に
売れば金にはなる代物。
隣市で古物商に売っぱらって、ギャンブルの借金の充てにしてしまった。
翌日にはバレてしまって神主さんはマジギレ、息子を怒るのもそこそこに
隣市に買い戻しにいった。
ところが、相当な年代物で保存状態も良かったそれは即日で買い手がついて
売れてしまったんだそうだ。
古物商に買い手を聞いても、常連じゃないから分からないの一点張り。
神主さんはそうとう尽力して、それこそ市や県にまで頭を下げにいって
探したらしいけど、見つからなかったそうだ。

いや、結果的には見つかったんだけど。
その1週間後くらいに、更に隣の市で惨殺事件が起きた。
家族を日本刀でズバッという事件。その時の凶器が、それだった。
神主さんはもう大慌てでそれを回収にいったんだけど、事件の重要な証拠と
いう事で返してもらえない。
仕方なく県庁なのかな、証拠を保存しているところへ毎日通って、
返してもらえるように頼み込んでいた。

で、悲劇というのはここからなんだけど、これを持ち出してしまった息子さん、
事件の半月後くらいにお社で首吊ってるのが見つかった。
遺書には「お社様申し訳ございませんでした、地獄道にて悔い改めます」てな
感じで書かれていた。

235 名前:3/3[sage] 投稿日:2006/11/18(土) 23:29:23 ID:YEuoRW4O0
実はそれ、厳密には呪物じゃなくて単なる呪力の塊なんだ。でも物凄く大きい
呪力。神様が人を祟って欲しがるくらい大きいもの。
モノが出来たらお社に奉納するっていうのは「これは私たちの誠意です、これを
貴方様に差し上げます」と呪力を神様に差し上げたということだ。
まぁあとは分かると思うけど、その差し上げた筈の呪力を持ち出してしまったから
神様が怒って、その呪力の持ち主を祟る、そうすると持ち主が死ぬっていう、
神様を悪用した呪いだよ。
それは持っていれば神様の力が強くなるけど手放したら効力が消えるっていう
類いのものだったから、戻ってきてすぐにお社に戻していた大地主は
祟られなかったわけ。

それを買い取った家族が死んで、持ち出した息子も死んだ。
でもそれは証拠として保管されてるからまだ帰ってこない。
神様はよっぽど怒ったんだろうな、その息子の一人息子、つまり神主の孫を
祟った。
そのお社、神主がずっとそれを管理していて、これからも呪力が完全に神様に
還元されるまでずっと管理していかなきゃいけない。
息子が死んだ以上、跡継ぎは孫しかいない。神主も年でもう新しい子とか
作れなかったし孫はまだ若すぎて子種を残す事も出来ない。
死にものぐるいで神主はそれを取り戻したんだ、ま、窃盗という形で。
県も市もそれは黙認と言うか、見て見ぬ振りしたみたい。

因に、それがお社に戻るまで約一月、保管していた県庁みたいなところで、
3人死んでる。職員が。
厳密には4人だけど、1人は交通事故、3人は自殺。
自殺した3人はお社様にあてた遺書を残してたらしい。



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posted by オカルト・都市伝説 at 16:00 | ことりばこ関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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