せいちゃん



五歳上の従姉妹の話。何だかおかしな人で、彼女と関わったことで奇妙な体験をいくつかした。今から話すのはその中の一つ。


まだ俺が小学生だった頃、近所にせいちゃんと呼ばれている人が住んでいた。三十代の一人やもめ、痩身の、気弱そうに笑う犬好きなおじさんだった。たまに捨て犬を拾ってきては世話をし、家には犬が何匹もいたから近所の子供たちがよく入り浸っていたのを覚えている。


舗装されていない砂利道が続く借家地帯、近所に住む人たちは皆知り合いでプライバシーなんてない、そんな所で俺もせいちゃんも暮らしていた。


ある日、件の従姉妹家族が俺の家へ遊びに来た。従姉妹は無口で話しづらい人だったので二人でいても間がもたず、せいちゃんの家に連れて行った。


丁度せいちゃんは犬に餌付けをしているところで、垣根の向こう側にその様子を見た彼女は一言、


「あれはとり憑かれてる。もう手遅れね」


と言って俺の家へ戻ってしまった。


俺は訳が分からず、また二人になるのは嫌だなあ、なんて思いながら後を追ったんだ。続きを読む
posted by オカルト・都市伝説 at 23:00 | 従姉妹シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ノッポな人形




中学二年の秋口、俺は勉強や部活そっちのけでオカルトにはまっていた。



そのきっかけになったのが近所に住んでいた従姉妹で、この人と一緒にいたせいで何度かおかしな体験をした。



これはその中のひとつ。



夏休みも終わり、ひと月が経とうとしている頃だった。



俺は従姉妹に誘われ、家から一時間ほどの場所にあるケヤキの森に来ていた。



美人だが無口でオカルト好きな従姉妹は取っつきにくく、正直二人でいるのは苦手だったが、従姉妹が買ったバイクに乗せて貰えるので誘いにのった。



ケヤキの森は、周辺では有名な心霊スポットで、曰わく今は使われていない製材所で夜毎手首を探す男が出る、曰わく森の中ほどに位置する沼には死体が幾つも沈んでいるといった調子で怪談にはことかかなかった。続きを読む
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聞こえる声



俺の親類には怪談好きが多かった。



祖母や叔父などは、ねだれば幾つでも話してくれたものだ。



中でも俺のお気に入りだった語り部は、年上の従姉妹だった。



この人が変わり者で、普段は無口だが気が乗れば話し巧みにオカルト色たっぷりの怪談奇談を聞かせてくれた。



静かな口調で語られる怪奇は、俺を怖がらせると同時に高揚させ、聞き入りながらそこらの物陰に何か潜んでいるような気がしたものだ。



今から話すのは、どこかからの帰り道、夕暮れの中歩きながら従姉妹が話してくれた奇談のひとつ。続きを読む
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