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あれは俺が小学生の頃だから、もう20年も昔の話だ。
今回は少し長いっす。
俺の出身は北関東の寒村で、周りは田んぼと山だらけだった。
だから子供の頃は田んぼで藁の束を積んで秘密基地を作ったり
河で魚を取ったりして遊んだもんだ。村の人たちも皆いいひと
ばかりで、田舎ならではの良さがある村だった。
そんなよくある田舎の村だったが、たった1度だけ、村全体が
恐怖に陥った出来事があった。今日はその事件を書いてみる。
その村には「絶対に入ってはいけない辻」というものがある。
辻とは言っても小さな丘のような所で、幅3m、奥行き10m、
高さ1mほどの大きさだった。そしてその辻の上には、小さな
石碑と半鐘?(時代劇の火事とかで登って叩く鐘)のようなもの
があり、周りは田んぼに囲まれていた。
理由はわからないが、親や婆ちゃん(父方の)からは、あそこで
遊んじゃいけねぇよ、といつも言われていた。何でもあそこを
いじったりすると血の雨が降る、という言い伝えがあるそうだ。
確かに子供の俺から見ても不気味なふいんきがビンビン感じら
れる場所だった。
それは2月の寒い日のことだった。
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