574 :おいら ◆9rnB.qT3rc:2010/01/17(日) 18:27:05 ID:fJ3UDovY0
【勧誘】
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S大学前駅でO急線の電車を降りた。
駅名にもなっている大学へと足を向ける。今日はそこの学園祭。露店からウィンナーを焼く
匂いがしてきた。どこの大学も学園祭と言えば、それほど変わらないものだ。
別棟の三階に登る。右手の廊下の奥、暗がりにエスニック風な手書きの看板が見えてきた。
「民俗学研究室」。お目当ての場所だ。
部屋に入ると、アジアっぽいお香の匂いが立ち込めている。微かにガムランの音色。
ゼミの研究展示と、その時のお土産だろうか、ちょっとした喫茶と雑貨の販売をしている
ようだ。まだ午前中のためか、客はあまり入っていないように見えた。
民俗学というと、柳田國男に代表される日本ぽいイメージだが、ここは少し様子が違う。
どちらかというと世界各地を回って、エスニカルな見識を集めているのだろう。全体に
色彩豊かな工芸品の展示で固められている。
こう見ていると、やっぱり東南アジア方面は人気があるなぁ。
教授に付いていくとは言え、学生身分で毎度海外へ渡航するとなると、結構金がかかる
だろうに。逆に、家が金持ちでなければ無理かもしれない。高いかもな…ここの学費。
案内の学生に声をかけられた。髪はサラリとしたショートに薄い眼鏡。朱いサリーを着て
いる。彼女はインド系がお好みか。見回すとスタッフは殆どが女性で、しかも思い思いの
民族衣装を着ている。
なるほど、室内を見るとタイかバリ風のヒーリングサロンのような雰囲気だ。ここまで
固められてしまうと、一見の男性は逆に気恥ずかしくて入り難いだろう。
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posted by オカルト・都市伝説 at 18:00
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おいら
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